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県民所得と合計特殊出生率の分布ならびに3世代世帯割合からみた兵庫県

3世代世帯は少子化防止に効果あり?

図1は各都道府県の平成24年度の県民所得と、平成24年の合計特殊出生率との分布を表したものである。これによると県民所得が高い都道府県ほど合計特殊出生率が低くなる傾向があり、両値の間には弱いながらも負の相関性(相関係数R=-0.6,寄与率 R²=0.35)があるといえる。兵庫県の県民所得と合計特殊出生率の分布点は相関近似曲線上にあり、今後県民所得が向上するにつれ合計特殊出生率が下がるだろうことが予見される。

注目すべきは愛知県で、県民所得が他の都道府県に比べて相対的に高いものの、合計特殊出生率が全国平均以上となっている。少子化の原因として様々な理由が挙げられているが「子育て費用が高い」ことも女性が多産を躊躇する原因のひとつとされている。そこで両親に子育てをサポートしてもらえる環境「3世代世帯」の割合に着目し、合計特殊出生率との相関性を見ていくことにする。

図2は兵庫県を含む県民所得が相対的に高い都道府県における、合計特殊出生率と3世代世帯率との分布を表したものである。両値の間には強い正の相関性(相関係数R=0.9,寄与率 R²=0.75)がみられる。このことから両親の協力が得られるのであれば、女性としても育児と仕事とのバランスも図りやすく、多産の判断を選択する可能性が高くなることが推察される。兵庫県では3世代が同居したり近くに住んだりした場合に税制上の軽減措置を設けるなどの支援策を打ち出しているが、今後、所得、合計特殊出生率の両方を向上させていくための現実的な方策として「3世代世帯(同居)」は私たち県民が検討するべき選択肢のひとつといえる。

出典:内閣府 平成24年度 県民経済計算,厚生労働省 平成24年 人口動態統計月報年計(概数)の概況,総務省 平成22年国勢調査人口等基本集計より神戸総研作成